吉野精一「パンの科学」を読んで

パンは美味しい。手軽に食べられるし、コーヒーにもよく合う。週末はドカ食いしている。 しかし、精製された小麦粉で作られたパンは血糖値が急上昇。それに使用するマーガリンにはトランス脂肪酸が・・・・。ちょっと気にし過ぎだろうか。いやいや、そんなこ…

オードリー・タン「デジタルとAIの未来を語る」を読んで

今から4年前、将棋の佐藤名人が電王戦でAIに敗れた。 また、AIにより将来なくなる職業が取りざたされており、中間管理職はもとより、頭脳労働者である内科医や弁護士もそのベストテンにランクインしている。 これから先、AIの発達で社会はどうなるのだろうか…

菊澤研宗「戦略の不条理」を読んで

戦略は物理的世界とその上にある心理・知性的世界で構成されており、利益とコスト(負)の合計が高い戦略が成功します。 いかに合理的でも1つの世界が、欠けたり変化に対応しなければ、「戦略の不条理」となり失敗します。 心理・知性的世界は会計上に表れな…

轡田隆史「100歳まで読書」を読んで

本書は著者の書評を通じて読書の楽しみを伝えている。 著者にとっての読書の原動力は、最後の さいごまで知的に、豊かに、静かに自分を保ち続けることを通じて、それなりに納得して逝くこと。 私も本を毎日読むようになって色んな事、たとえば歴史的事実や科…

別宮暖朗「誰が 太平洋戦争を始めたか」を読んで

第2次世界大戦は5つの戦争の集合体であった。 日中戦争、独ポーランド戦、独仏戦、独ソ戦、太平洋戦争であり、そこに独軍の戦争思想が共通していた。 敵が動員準備をしている時に先制攻撃を仕掛けること。先制攻撃を可能にするためには、事前の作戦計画、円…

宮崎雅人「地域衰退」を読んで

地域外から所得を得る産業が衰退した地域では、衰退は避けられない。 衰退と同時期に公共工事による地域経済の下支えを行っていたが、財政の悪化により支出割合は低下している。現在は社会保障(介護)主導型に移行している。 しかし、地域の高齢者が今後い…

宮崎勇、田谷貞三「世界経済図説」を読んで

経済的な指標を図表で示すことにより、視覚的にわかる構成になっています。 やはり経済規模で見ると、中国の存在感は大きいものがあります。 中国の経済成長に伴い、外貨準備高、研究費、特許登録件数は、世界的にみても1,2位を占めることからもうかがえま…

清水泰行「運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない」を読んで

著者は市民ランナーであり、レース前日は通説に従ってたっぷりとご飯、パスタ等の炭水化物を摂ってレースに参加し、レース前はスポーツドリンクで給水し、レース中も早め早めにドリンクを飲んでいました。 その結果、異常なのどの渇き、筋のけいれん、膝の痛…

武田知弘「ヒトラーの経済政策」を読んで

第二次世界大戦時において、ナチスドイツは数多くの非難されるべき行為を行いました。戦後、ドイツ国民や連合国はこの戦争犯罪をヒトラー個人の責任にしているように、私は感じていました。あれだけの行為をシステマティックに、しかも膨大な数をこなすこと…

藤田絋一郎「もしも、私が『がん』になったら」を読んで

著者は81歳の現役の医師です。著者が癌になっても標準治療(手術、放射線、投薬)は行わずに仕事を続け、旅行もするとのことです。理由は高齢でがんの進行が遅いことと、生活の質を維持したいからだそうでした。 癌がステージ4(治癒不能)となっても、医師…

百田尚樹「逃げる力」を読んで

普段私たちが目にする野生の動物である猫やスズメ、ハトやゴキブリ等は、危険と感じれば逃げます。いつも通りの活動をしていても、ある一定の距離に近づいた時点で一目散に逃げていきます。自然界は逃げることで危機を未然に回避し、安全を確保しています。 …

平野啓一郎「私とは何か 『個人』から『分人』へ」を読んで

「分人」とは、分割不可能と言われる個人に対して、さらに分割したときの一つのパーツのことと著者は言います。 具体的には、人は他人と接するときに分割された自分を相手に見せます。また別の人に対しては、別の自分で別の人に接します。それぞれ違う自分は…

古野まほろ「警察官の出世と人事」を読んで

警察は法令を基に治安維持を目的とする組織ですから、一般の会社組織と比べて秘密性は高く、何をしているのかが分かりづらい。 しかし一方では組織ですから、予算とマンパワーは一定の枠内で限られつつも、組織としてのパフォーマンスは最大限に発揮しなけれ…

朝倉未来「強者の流儀」を読んで

本書を読んで感じるのは、著者は自分の研究対象である総合格闘技の対戦相手、YouTube視聴者、投資の対象を分析しています。 この場合、分析とは自分の見えていない視点で見ること。 例えば、対戦相手のビデオを見るときは撮影カメラの視点ではなく、対戦相手…

茂木誠「保守って何?」を読んで

本書は日本及び世界の歴史を通じて「保守」を説明しています。 各時代及び置かれた状況に応じて「保守」の考え方に違いがありますが、「日本人が培ってきた伝統的かつ慣習的な考えを、現実を認めた上で緩やかに適応していく考え方」だと私は理解しました。 …

山田悟「血糖値が安定すればやせられる」を読んで

血糖値を上げないようにすれば、過剰なインシュリンは分泌されず、肥満や糖尿病を避けることができます。血糖値を上げる栄養素は糖質だけです。 一方、タンパク質や脂質を一緒に取ると血糖値の上昇を和らげます。 本書で紹介される「ロカボ」は、1回の食事で…

長沼毅「考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子」を読んで

人間は文明の発達とともに自然から遠ざかり、文明社会の中で暮らすようになりました。その結果、脳を自然に対して使うことをやめて、人間関係に対して使うようになります。 そして「悩み」や「不安」、「ストレス」を感じるようになり、頭の中でグルグルと堂…

櫻岡怜子「糖尿病予備軍と言われたら最初に読む本」を読んで

糖尿病は40歳から増え始め、60歳を過ぎると3人に1人は糖尿病患者であり、さらに3人に1人は糖尿病予備軍だそうです。つまり、3人のうち2人は何らかの異常があります。 そもそも加齢によりインスリン分泌量や筋肉量は減少している中で、運動をあまりせず、若い…

野本健司「安全な食材は自分でえらぶ」を読んで

我が家では牛乳からヨーグルトを作っておりまして、先日、低脂肪牛乳(加工乳)からヨーグルトを作ってみました。 するとヨーグルトは固まらず、沈殿していました。しかも全体の半分の量です。残りは透明な水のようなものでした。脂肪分を摂ると体積が減少す…

ジョナサン・モリス「コーヒーの歴史」を読んで

私が住む町にも大手コーヒーチェーン店がアーケードの中にあります。通勤時にその前を通ると、開店前には行列ができています(2人程度ですが)。 日中は外国人も多く利用し、賑わいを見せています。一方で路地裏には昔ながらの珈琲専門店があり、常連客が通…

藤本靖「疲れない体をいっきに手に入れる本」を読んで

人は緊張すると筋肉が固くなります。固くなると余計なところに力が入り、バランスが崩れて疲れやすくなります。 本書では緊張をほぐすことで疲れない体を手に入れる方法が述べられています。ポイントは、体のセンサーの使い方。例えば、人の話を聞いて疲れる…

江田証「パン・豆類・ヨーグルト・リンゴを食べてはいけません」を読んで

本書では、過敏性腸症候群の罹患者は、タイトルにある食べ物を食べないように、と注意を促しています。 また、腸と脳は相関しており、腸内細菌は脳機能に深い影響を与えます。母親マウスの腸内細菌が乱れていると、自閉症の症状が出ます。そして生まれた子マ…

高橋ユキ「つけびの村 噂が5人を殺したのか?」を読んで

この本は、2013年山口県の限界集落で起きた5人の殺害、2件の放火事件のノンフィクション作品です。1 8章に分けて記述されており、ほとんどが村人の噂話や限界集落の情景、被害者親族のところへ聞き取り状況を記しています。 事件の概要は最初の章である「発…

宇野重規「民主主義とは何か」を読んで

民主主義が戦争と密接な関係があることは、意外でした。 古代ギリシアでは都市市民が戦士として戦争に参加することによる政治的発言権の増大、国民国家による軍隊がナポレオン戦争で勝利し王政国家が倒れたこと、米国黒人が参加したベトナム戦争後の黒人の地…

ホームライフ取材班「売れ筋商品には裏がある!」を読んで

日頃私たちが目にする食品の成分表、使用されている用語、実際の効能の解説書です。 紛らわしい言葉、たとえば「糖質」と「糖類」の違い、カロリー「オフ」と「ゼロ」の違い、解凍した魚を「鮮魚」と表示可能なことを丁寧に解説しています。 注目したのはベ…

MdN編集部「家での働き方とモノ選びと」を読んで

自宅で本を読むとき、読書メーターに投稿するとき、仕事を家に持って帰ったとき、どの場所でどのような作業をしていますか。 私は巣立った子供が残した机で読書し、投稿し、作業をしています。 この本はオフィス以外で働く人を紹介し、自宅での働きやすい環…

佐橋亮「米中対立 アメリカの戦略転換と分断される世界」を読んで

「トゥキディデスの罠」という言葉がある。大国のパワーが接近すれば衝突が起こるということであり、古代ギリシアのペロポネソス戦争が由来です。 この考えからすると、対立は不可避となります。米中対立での日本の位置は、米ソ冷戦時代の欧州の位置と似てい…

長尾和宏「仏になったら仏を殴れ」を読んで

今まで2500人以上の臨終に立ち会った医師が、「死」について書いた本です。 現在、行き過ぎではないかと言われるほどの延命治療が問題になっています。その理由は、常に家族と司法からの訴訟圧力があるからだそうです。 「死んだら責任を問う」、という態度…

大木毅「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」を読んで

感想 本書からの引用 ドイツが選んだ第三の道 ソ連軍の「懲罰隊」と「阻止部隊」 今までの戦争と全く違う絶滅戦争 感想 ドイツがソ連と戦争したのは、人種主義に基づく社会秩序の変革と収奪のための植民地帝国の建設でした。ドイツは敵とみなした相手の生命…

感想 本書からの引用 音楽作品と美術作品の違い 音校の生徒は自分が商品と自覚している 指揮者は丸裸にされる 社会のためにではなく、個人的にやりたいことがあってこそ 感想 日本にとっての最後のカオスは東京藝大ですが、著者にとっての最大のカオスは藝大…