「ハカる」力を読んで

 

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感想

本書での「ハカる」とは個々の調査対象を、新たな指標を作って比べてることにより、因果関係を見出すことです。
だから「人の気持ち」とか「行動」であっても、それを指標にすれば「ハカる」ことができます。

例えばノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行は、返済能力を「仲間からの信頼」でハカりました。
また、サンフランシスコ大地震後のバンク・オブ・アメリカは、中小企業主の返済の意志を「手のタコ」でハカりました。

おもしろいと感じたのは、オープンソースデータであっても、それを「ハカる」ことによって再分析し、新たな意味を見出すことができることです。

また「ハカる」ことは論理的思考を行うため、目の前にある物事を具体的に数値化することです。
T-REXの狩猟形態を判明するため、恐竜化石の「お腹の中」を調べるのではなく、「お腹の中の骨の量」を量る。このことによって何を食べていたか想像し、狩猟形態を判断することができます。

 だから、数値を計るためのスケール(指標)を何にするかが重要となります。何について知りたいのか、というのを明確にすることから始まります。 

ハカる力」をつけるためには、知りたい情報を明確にし、目の前にある情報・得られる情報から指標を定め、測定し、比べる。
そしてそのデータから推論を形成していく。
失敗してもいい何回でもそれに挑戦することにより、測る能力は向上してきます。 

ZARA は、「流行を先読みする力」には、頼らないことにしました。
代わりに新製品をどんどん出して、消費者の「本当の」好みを探って、それに合わせて行きます。 

ブログとかでも新しいアイデアをどんどん反映させていき、反応があるものについて深掘りをしていく。その考え方もありではないでしょうか。 

本書からの引用

  自分で考えない人たち

情報はネットから入ってくるから後で自分で考えない。
一次情報から類推して考えたり、新しいものを編み出したりすることがない。

  言葉を数字に落とす

曖昧な表現を排して、主張を具体的に定量的にする時、最も明確なのは数字で表すことです。
例えば「シェアが高い」でなく、「市場シェア30%」と。
しかし、30%が「高い」かどうかは競合状況によります。
シェア50%の敵がいるなら、30%が高いとは言えません。
でもシェアトップで2位が20%だったら、高いと言えるでしょう。 

  既存情報の活用方法

人は往々にして「既存の一般情報」を無駄にしています。
テレビ、雑誌・本、インターネット。
CIAですらその情報の95%を一般情報から抽出しているというのに。
発見のネタは驚くほど近くにあります。
問題は「はかる力」があるかないか、うまく「枠組み」を与えて、意味あることを引き出せるかどうかだけなのです。

某国が一方的に流す国家トップの TV 映像をひとつひとつとっても、ちゃんと測れば色々なことがわかります。

・体の動きから、詳細な運動能力レベルを

・TVに登場しなかった期間から健康状態を

・画面に映る他の幹部の位置からその序列変化を

・画像の修正レベルから国としての CG 技術レベルを

こういったことを積み重ねて、組み合わせることで、世界の動向を判断するための情報を、アメリカ政府に提供し続けているのです。 

  「ハカる」ための準備

①生データをグラフ化
②時間と数字を組み合わせる
③ 異なる数字と組み合わせる
④割り算ぐらいはしよう

気をつけるべきは、「まずはまとめず細かく見る」「グラフ化する」「差と重みでまとめる」。 

  「ハカった」結果の考え方

「95%の確率で正しいと言い切れること」だけを論ずるのが学問の世界なら、「10%の確率でしか正しくないかもしれないが、すごく面白いことを見つけること」がビジネスアイデアの世界です。 

  既存アンケートの「再分析」トレーニン

職場での「ひとを測る」力アップの基礎は、既存アンケート情報を測り直してインサイトを引き出すことです。

これが上手になれば、世の中で怖いことはぐっと少なくなるでしょう。題材は、巷に溢れる無料のアンケート調査結果で十分です。 

 ZARA は売り切れ御免で流行を「ハカる」

スペイン本社でのデザイン決定から世界中の店頭に並ぶまで、わずか2週間という速さ。
年間2万種類の新デザインを投入し、売り切れ御免でどんどん次の新商品へと繋げています。 

ZARA は、「流行を先読みする力」には、頼らないことにしました。
代わりに新製品をどんどん出して、消費者の「本当の」好みを探って、それに合わせて行きます。