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感想

「妬み」の感情は、脳の回路に組み込まれており、誰にでも湧き上がるそうです。
加えて「他人の不幸は蜜の味」の感情も同様で、fMRIを使った実験で示されました。

では、どう対処したらよいのでしょうか。
本書の例では、レストランで隣が高級ワインを飲んでいることを妬ましく思った場合、より高いワインを注文するのではなく、「日本酒が合うかもしれない」とお酒の楽しみ方を水平に広げることを、著者は提案しています。

また、ワインの知識があれば、産地、品種、年代などからよりふさわしいワインを選ぶことも(結果として隣より安くても)、一つの方法だと述べています。 

私の場合は心のリスクヘッジとして、身の丈に合ったレストランに行くのも良いかと思いました。

 

本書からの引用

 

 「妬み」の危険性

妬みという感情は今も昔も、災いを引き起こす「悪いもの」として扱われてきました。 極端な言い方になりますが平穏に暮らしている私たちも、些細な妬みをきっかけに、大きな過ちを犯してしまう可能性があるのです。

 

 「妬み」の脳のメカニズム

妬みの感情が起きた時に前部帯状回の上の部分が反応するというのは、非常に興味深い事実です。というのもこの部分は、身体の痛みの処理にも関係している部位だからです。イギリスの哲学者 バーラント・ ラッセルは、「幸福論」の中で、「妬みとは、心の痛みである」と言っているわけですが、脳科学的にも、心の痛みである妬みが、体の痛みと共通のメカニズムで処理されている可能性が高いことが示された理由です。

 

 「他人の不幸は蜜の味」の脳のメカニズム

線条体には脳内伝達物質のドーパミンが豊富に存在しており、報酬が期待される時や実際に得られた時には、心地よさや満足感をもたらすドーパミンが脳内に放出されます。

今回、被験者の脳の線条体は、食べ物やお金を得ていないにも関わらず、他人の不幸を見ただけで、あたかも報酬を得たかのような反応を示しました。「他人の不幸は蜜の味」という言い回し通り、妬ましい他人の不幸を見た時の脳の活動は、甘い蜜を味わっている時と同様だったわけです。 

 

 「妬み」は仕方がない、と考えていいのか

ところが実験の結果、線条体は他人の不幸に対し、ボトムアップ的に、認識に反応してしまうことがわかりました。これは、「人間の脳の中に他人の不幸を喜んでしまう回路が存在しており、しかもそれは私たちの意識とは無関係に勝手に働き、自然と心地よい気持ちになってしまう」ことを示しています。 

 

 「妬み」の対処法(水平思考)

例えばレストランで、隣の席の人が、自分が飲んでいるものより高級なワインを美味しそうに飲んでいるとします。それを妬ましく思った場合、妬みを解消するために、無理してもっと高いワインを買うことはできますが、いつまでもそんなことをしていては、経済的にも精神的にも疲弊しかねません。
しかしワインばかりにこだわらず、「フランス料理にも日本酒が合うかもしれない」といった具合に、お酒の楽しみ方を広げれば、隣で高級ワインを飲まれても、それほど気にならなくなります。「隣の人は、ワイン以外のお酒の美味しさを知らないのかしら」と、優越感さえ抱けるかもしれません。

 

 「妬み」の対処法(ソムリエ法)

あなたがワインへの造詣が深く、ソムリエ並みの知識と確かな感覚を持ち合わせていたならば、どうでしょう。素人はワインの色や価格ぐらいしかワインリストから読み取れませんが、あなたは産地、ブドウの品種、ヴィンテージなどを判断し、料理や雰囲気にベストなワインを選んで満足することができます。
そうすれば、隣の席に、値段的にはあなたを選んだものよりも高いワインを飲んでいる人がいたとしても、「この料理には私のワインの方が似合うはずだ」 「隣の人が飲んでいるワインは、外れ年のものだ」といった具合に、値段以外にいくつもの尺度から、多面的に評価することができます。